

今年の自分を表した作品【2026.10】
まもなく始まる個展では、今年は新シリーズ「循環する生命」を多く描いている。 「循環」は、今年の誕生日に訪れた屋久島で感じたキーワードだ。 壮大なスケールで巡る生命のサイクルを感じる森に触れた経験によって、地球も宇宙も身の回りにあるエネルギーも、この世の全てが循環していることを直で感じることができた。 ずっとテーマにしてきた「調和」にも通じるキーワードだが、今までの「あらゆるものの境界がない世界」というフラットなイメージに、「常に変化しつづけながら巡る」という動的なイメージが加わった感覚であった。 絵の構図は、円を基調にした。昨年描いたシリーズ「調和する惑星」も円をイメージしていたがやはりこれも静かなイメージであったのに対して、今回は同じ円でも動的なモチーフを描いている。 リースを連想するこの構図は、今年担当させていただく阪急うめだ本店のクリスマスメインビジュアルを描いている時に思い浮かんだものだ。 まさに今年の自分を表している作品シリーズが完成した。 個展は今月28日〜。ぜひ見に来て欲しい。 「循環する生命」制作の様子


アイヌ文化に触れて【2026.09】
先日、北海道にあるウポポイ(国立アイヌ民族博物館)へ行ってきた。 縄文の暮らしを続けていたアイヌの人々。文明の影響をほとんど受けず、狩猟採集中心の暮らしをしていた人々がつい最近まで日本にいたことがどれほど貴重であるか。 それは生活様式や言語だけでなく、カムイと呼ばれるアミニズムの思考にあると思う。 自然界のものから生活道具などあらゆるものに宿るカムイは、人に恵みを与え人も儀礼を持ってそれを返す、関わり合うことで互いにとって良い影響を与え合う。 例えばヒグマは、肉や毛皮を土産に持ってやってきたカムイであり、人にとってそれを獲ることがカムイを迎え入れることなり、供物や儀礼を行うことで感謝を伝え、それがカムイの霊力を高めることになる。儀礼は、狩猟で得た子グマを育て解体するようなものもあるようだ。 本来生きていくということは、このように命やそれを生み出すものに直接関わるものであった。 それは目の前のものを通じてその先につながる世界にも感謝し、その住人の一員としての自分を認識し慎ましく生きることにもつながったのだと思う。 古代から続いていたアイヌ文化は、こ


歴史ドラマで出会える魂【2026.08】
普段あまりテレビを見ない生活をしているが、NHK、もっぱら大河ドラマはよく見ている 。 歴史の中でも、現在放送している「豊臣兄弟」もしかり、戦国時代は特に好きだ。 様々なドラマで何度も登場してる人物でも、毎回その描かれ方は様々である。 歴史の年表の間にある当時の人々の想いや感情は、今の僕たちには想像することしかできないけど、通説〜突飛推しもない話まで「もしかしたら」があり得る世界線。 例え間違っていても、戦乱の世の中できっと同じようにだれかが味わったであろう、悔しさの中の最期や些細な喜びの中の日常を伝えることで、おそらくどこかで報われる魂があるのでないかなと思う。 結末がわかっている物語でも、その過程の独自の解釈からたくさんの魂に出会える。それが歴史ドラマのいいところだ。 昨年訪れた松本城


循環する命【2026.07】
37歳の誕生日。念願であった屋久島旅行へ行ってきた。 照葉樹の原生林、巨大樹があちらこちらにそびえていて、九州最高峰を抱く深い山は圧倒的な生命力と神秘性を持っていた。 大きな木が倒れると、そこには日の光が入り込み、倒木自体も新芽の苗床として栄養を与える。そうして育った木がまた大木となる。 そうやって育った木がいくつもあって、何百何千年と繰り返されてきた壮大な命のサイクルが目の前に広がっていた。 大きな命の終わりが別のたくさんの命を育む。 年間を通して雨の多い屋久島。振り続ける雨が山で磨かれ、透明感の強い川となり広大な海へ流れていた。 水も命も、形を変えて循環していくものなのだと、肌で感じることができたこの旅。 生き物の捉え方もこれまでと少し変わりそうな気がする。 屋久杉と


観葉植物【2026.06】
私のアトリエは、地方とはいえ割と市街地の中にある。 これまで拠点とは違い、制作の合間にふと目に入る緑がどうしても少なく感じるため、観葉植物がどんどんと増えてきた。 今では大小合わせて20点くらいか。ここまでたくさん育てたのは初めてだ。 室内で、しかも小さな鉢で育てる観葉植物は、畑で栽培する野菜と育て方が大きく違う。これまで何度か枯らしてしまうこともあったが、最近はなんとなくコツと植物ごとの個性が掴めてきた。 日々水やりをし、剪定をし樹形を整え、肥料を与える。 今の時期、新芽を出しグングンと伸びる新芽が風に吹かれるを見ているととても愛着が湧く。 日々変化する生命との関わりが、アトリエでの制作にも良い"ゆらぎ"を与えてくれる。 アトリエの植物たち